カーオーディオの電源ラインには必ずノイズフィルターが入れられていて、これが無ければエンジンの点火ノイズが音声に混入して音楽など全く聞けたものではなくなる。アルパイン製のノイズフィルターがあったのでちょいと調べてみた。
ノイズフィルターの中身はコイルと1000uのコンデンサーが1個ずつでローパスフィルターが構成されているに過ぎない。

特性を調べてみたいのでパソコンスペアナ「WaveSpectra V1.40」と信号発生ソフトのWaveGene V1.40」を使う。これらはフリーソフトで
efu's pageで配布がされている。WaveGeneでLINEOUTにテスト信号を出力して、フィルターを通してLINEINに入力してWaveSpectraで見ればフィルターの周波数特性を知ることが出来る。
まずはLINEINの入力をGNDに落として計測器であるサウンドカードのノイズ調べ。電源由来と思われる60Hzのピークで−70dB。見かけは悪いが0dBの3000分の1の電圧ということでマザーボードオンチップのサウンドとしてはこんなものだろう。ノイズのひどい時にはドライバーを更新すると直ることもある。

計測器はOKということで、WaveGeneでホワイトノイズを発生させて入力すると横一直線の周波数分布が見られる。レベルを−40dBに調整したこの信号と入力の間にフィルターを挟んで計測すると300Hzで40dBの減衰(100分の1)、100Hzで30dB減衰(30分の1)されている。

ジャンク箱の中から適当なコイルを漁る。スィッチング電源の出力フィルターに使われていたと思しきコイルに1000uのコンデンサーをぶら下げて計測するとメーカー製のフィルターをほとんど同じ特性だった。コイルの両端にコンデンサーを付けるとπ型フィルターと呼ばれる物にになる。1000uをもう一端に付けると100Hzで40dBもの減衰が得られて、サウンドカードのノイズのピークが顔を出してしまうところまで低域がカットされている。

元に戻って、アルパイン製のノイズフィルターに1000uのコンデンサーを追加してπ型として計測してみるとこれも低域までしっかりとカットしている。セラコンも付けているがこれは決まりみたいなもので。これを車載のDVDプレーヤーの電源ラインに入れてみるとアイドリング中にスピーカーから聞こえていた唸るような低音のノイズがよほど注意しなければ聞こえないレベルになった。今回はめずらしく大成功。

コンデンサーを追加したのでコンデンサーチューンといえるのかな。加速が良くなったり、燃費が伸びたりということはもちろんない。車載されるすべての電子機器にはコンデンサーが入っているが、ナビやETCを付けると車が速くなったという話は聞かない。
計測ついでにフェライトコア・チューンも調べてみよう。フェライトコアのノイズフィルターを自動車のあちこちにつけて加速が良くなったとか燃費が伸びたとか、オーディオの音が良くなったとかネット上で見かけることは多いが、その理屈は全く理解できない。信号線をPCモニタのケーブルについていたノイズフィルターで挟んで計測。

結果は全くなんの影響もでていない。フェライトコアはAMラジオやビデオ信号のように数百kHzから数MHzの領域をターゲットとしたノイズフィルターのはずだ。オーディオ帯域のノイズは素通りして行くだけ。各センサーのケーブルにつけるといいんだとか。センサーを受けるコンピューターの入力には最初からノイズフィルターは入っている。外付けのノイズフィルターが要るような車ならまともにエンジンは回ってないだろう。
プラグコードに付けると、これは効くかもしれない。理屈の上ではフェライトコアにエネルギーをとられてスパーク電圧のピークが少しだけ下がることも有りうると思う。ものすごく繊細な人ならばほんの少し車が遅くなったのを体感できるかもしれない。でもきっとフェライトコアって心に効くんだね。DIYは楽しい。
マグチューンってのもあるそうな。マフラーにネオジム磁石を張るんだって。大丈夫かぁ。安めぐみがバーナーで焙ると磁力を失ったネオジム磁石が落っこちてくるのをNHKで見たぞ。
磁石屋の商売の匂いプンプン。